いけプロ

賛同人募集ラストスパートzoomイベント 活動報告

北海道で暮らす医療的ケア児に未来を拓くプロジェクト

“賛同人募集ラストスパートzoomイベント”を記事化しました!
参加できなかった方も、ぜひ、こちらをご覧ください。

ゲスト参加してくださった方々

北海道医療的ケア児家族会TeamDosanco(メンバー)山本香織
NPO法人ソルウェイズ 重症児デイサービスあいキッズ(管理者)海谷由希
NPO法人ユーミッテ(代表理事)貴戸多香美
NPO法人にこっと秋田(代表理事)八代美千子
※敬称略

1.代表挨拶とプロジェクト概要

「北海道で暮らす医療的ケア児の未来を拓くプロジェクト」のプロジェクトチーム代表 NPO法人ソルウェイズ共同代表理事 運上昌洋より挨拶とプロジェクト概要の紹介。

こちらをご覧ください

2.ゲスト紹介

北海道医療的ケア児家族会TeamDosanco(メンバー)山本香織
2021年4月に、東京都墨田区から札幌市に引っ越してきました。
重症新生児仮死で生まれ、難治性てんかんのある小学校3年生の母。
医療的ケアは、胃瘻、吸引、吸入、夜間呼吸器、排痰補助装置。
札幌に引っ越してくる際にNPO法人ソルウェイズにお世話になり、デイサービスも利用している。
コロナ禍に引っ越してきたので、新規のショートステイ受け入れをしてもらえず、どうしたらいいのか困っていたので、このプロジェクトを聞いたときに「使えるところが1ヶ所でも増えるのは、とても嬉しい!」と思いました。

NPO法人ソルウェイズ 重症児デイサービスあいキッズ(管理者)海谷由希
石狩市(札幌市の隣り)在住、石狩市にある重症児デイサービスあいキッズで管理者をしています。
小学4年生の医療的ケア児の母。
医療的ケアは、胃瘻、吸引。
娘もあいキッズを利用しつつ、看護師としても、日々医療的ケア児に関わらせてもらっています。

NPO法人ユーミッテ(代表理事)貴戸多香美
北海道医療的ケア児家族会TeamDosancoの副代表も努めさせていただいています。
医療的ケア児の母であり、重症児デーサービスを運営しています。
帯広市では、ショートステイを利用するとなると、病院での短期入所となるので、「利用したい」という気持ちにはならない方が多いという現状です。
プロジェクトを聞いて、親として、とても夢のある施設だなと思います。

NPO法人にこっと秋田(代表理事)八代美千子
秋田県秋田市で、多機能型重症児者デイサービスを運営しています。
県の療育センターで看護師として勤めてきて、2018年10月から事業を立ち上げました。
FacebookでNPO法人ソルウェイズの中長期の取り組みを見て、秋田にも参考にさせてもらいたいなと思い、賛同させていただいています。

イベント運営陣とゲストの皆様

3.親の立場からみたショートステイの現状

家族に何かがあった時のために

NICU・GCUに入院中に、主治医からショートステイ(短期入所)というサービスがあるということを提案され、当時は「私が無理しすぎないために言ってくれているんだろうな」と思っていました。
しかし、退院して1ヶ月経たない頃に、祖母が亡くなり、まだ外出もしたこともなく自分もどうしたら良いのかわからず、在宅医療でお世話になっていた診療所の方に相談したところ、入院していた病院の小児科病棟で2泊3日預かってもらえることになりました。
たまたまベッドが空いていたから可能であったという状況に、「家族になにかがあった時に、預かってもらえる環境をつくっておかなきゃいけないんだな」ということを実感しました。
その後、定期的に療育センターで短期入所をして、子どもにも場所に慣れてもらうということをしてきました。
(山本)

使いたいと思える環境ではない

見学に行ったことはありますが、利用したことはありません。
病院内の一角で、雑然としたところにショートステイ用のベッドが用意されていました。
看護師からよく見えるところに配置していると言われましたが、「ここに寝るのか・・・。」「この環境には預けたくはないな。」と思ってしまいました。
デイサービスの管理者をしていて、利用児のご家族からも、「預けたいと思えるところがない」というお声をよく聞きます。
預けるとしたら、「ごめんね」と思いながらではなく、子どもも楽しめて、私たちも安心でき、「預けてよかった」と思えるところに預けたいというのが親の思いですよね。
重症児デイサービスあいキッズは、利用児もスタッフも楽しく笑顔で過ごせる空間だなと思っているので、デイサービスのように楽しく過ごせるようなショートステイがあったらいいなと思っています。
(海谷)

病院での短期入所

帯広市では、病院での短期入所になるので、「帰ってきたら身体の緊張が強くなっている」「体調を崩してしまう」という声を多く聞きます。
見学させてもらいましたが、人員配置も“病院”なので、ただベッドで寝ているだけになりがちで、年代も幅広く入院している重症病棟への入所となると、「楽しんでおいで」という場所ではなく「仕方なく預ける」という印象になってしまっている。
他の方も話していますが、子どもたちにとって楽しい場所であり、普段から知っているスタッフが関わってくれているということが、お母さんにとっても安心材料になると思います。
(貴戸)

4.地域差

東京

東京では、医療型ショートステイや、普段利用している医療機関での検査時にレスパイトも兼ねて検査入院という方法をとる場合が多い印象です。
体調を崩して帰ってくる、身体の緊張が強くなって帰ってくるという声を聞きます。
息子は、覇気がなくボーッとして帰ってくるので、「退屈だったのかなー」という感じでした。

放課後等デイサービスは、札幌の方が、医療的ケア児数に対して事業所が多いなという印象です。
東京は、重症心身障害児も利用できる放課後等デイサービスは、区内に2ヶ所くらいの数で、曜日固定ではないので、利用を希望していても利用できないことも多いです。

東京では、在宅レスパイト事業があり、訪問看護師が、最長4時間くらいまで滞在してくれるので、母親が美容院・病院や歯科への受診など自分の用事を足すことができたり、学校送迎にも利用できる区もありました。
訪問看護ステーションの自費サービスではなく、区ごとの支援事業で、所得に応じた利用負担額で利用できるものです。
札幌にもあると嬉しいなと思っています。
(山本)

秋田県

みなさんのお話を伺っていて、同じ国なのにこんなにも違うんだなと思っていました。
人口が少ないことや、施設も秋田市に集中してしまうという特性もあり、県南・県北には医療的ケア児や重症心身障害児をお預かりする場所がほぼないというのが現状です。
秋田市では、デイサービスはようやく4ヶ所。
ショートステイは、療育センターで重症心身障害児を受け入れてくれていますが、全県で2床です。
人工呼吸器を使用している子を受けるときは1人しか短期入所できないことになっているので、実質1床。
ドリカムのチケットを取るよりも難しい(笑)
来春には生活介護をスタートする予定、秋田には児童発達支援もほとんどないので、児童発達支援やショートステイも併せた事業所も計画しています。
これが秋田の苦しい現状です。
(八代)

帯広市(北海道・十勝)

17万人の人口に対して、重症児デイサービスは2ヶ所。
私たちの事業所にもお問い合わせが多く、潜在的な親子がたくさんいたんだなと感じています。
十勝も広いので、片道1時間半かけて通ってくる方もいます。
「デイサービスを立ち上げて終わりじゃない」と、全国重症児デイサービスネットワークでもお世話になってきた鈴木さんから何度も言われてきましたし、親亡き後にも生活していけるような支援をつくっていかなければいけないと考えながら、デイサービスを運営しています。
核家族ではなく祖父母の協力も得られるというご家族が多いので、サービスは少ないけれど親族でなんとか頑張っている地域です。
祖父母も両親も年齢を重ねていきますし、十勝という地域性の課題だと感じています。
(貴戸)

5.秋田県でのショートステイ計画

NPO法人にこっと秋田では、福祉型ショートステイを計画しています。
・定員2名からスタート
・週末のみの利用から始めて、徐々に利用可能日数を増やしていきたい
・人手不足もあるので、安全にお預かりできる範囲で展開していく
・なり手育成も課題

ショートステイには、医療型と福祉型がありますが、医療型ショートステイは医師がいなければいけないので、重症心身障害児を診る医師は大きい病院に所属されていて、ショートステイへの協力は難しく、福祉型しか選択肢はありませんでした。
(八代)

6.NPO法人ソルウェイズで、ショートステイのシュミレーション開始

重症児デイサービスあいキッズで「お泊まり会」

2022年8月6日・7日に開催。
初めての試みだったので、事業所から近い利用者さんに限定させてもらって、3名の子どもたちをお預かりして実施しました。
娘も参加したので、初めて家族以外の人とお泊まりをする経験をさせてもらいました。
利用児もスタッフも楽しもう!と、みんなでカレーを作り、花火やプラネタリウムも行いました。

ケアは、事前に聞き取り用紙に記入していただき、時系列のケア表を作成しました。
日中のケアが多くなくても夜間のケアが多い子もいて、お母さんは毎日このケアを行ってデイサービスに送り出してくれているんだなということも知れて、貴重な経験をさせてもらったと思っています。
夜間のケアの聞き取りは、日中に関わっている子であることや、お母さんとの関係構築もできている状態での聞き取りになるので、戸惑うことなく対応できた印象です。

利用児のご家族やスタッフの声

お泊まり会の時に、楽しくて寝れなくなってしまった子がいて、帰宅後にかんしゃくがあったという話を聞きましたが、「夜間預かってもらってありがとうございました。」とも言っていただきました。
スタッフも、夜間の様子やケアの状況から、お母さん方の毎日のがんばりをより一層感じる機会にもなりました。
緊急時の対応は、スタッフからの不安要素としてあがっていたので、マニュアル作成など今後のシュミレーションで検討していきたいです。
(海谷)

6.医療型・福祉型

医療型ショートステイは、医療機関であれば開所や継続の可能性が高くなりますが、秋田県の状況からもあったように、医療型ショートステイは地域によってはかなりハードルの高いものになってしまいます
「北海道で暮らす医療的ケア児の未来を拓くプロジェクト」も、札幌市のみではなく北海道各地にも地域特性に合わせたショートステイを増やしていきたいという計画ですので、福祉型ショートステイを選択しています。

福祉型ショートステイを運営する上で、大きな課題となるのは、報酬算定が低く採算が合わないということです。
医療法人財団はるたか会のレスパイトハウス「やまぼうし」さんは、診療所があるので医療型ショートステイも可能ではありますが、全国的に不足しているショートステイのモデルケースをつくるために、そして、報酬改定への提言をしていくために、日本で初めての医療的ケア児に対応した対応福祉型ショートステイを、2022年7月1日にOPENしています。
医療機関の少ない地域でもショートステイを運営していけるということを考えると、福祉型という選択をしつつ、医療機関や地域の関係各所との連携をつくっていけるようにと計画しています。
(運上)

7.賛同人募集

賛同人を募集しながら、医療的ケア児を多くの方に知ってもらいたいこのプロジェクトを知ってもらいたいという思いがあります。
地方自治体、福祉関係の団体、ボランティア団体、地元の企業など、様々な方々にお話をして、それぞれとどんな協力体制をつくっていけるか、SDGsの観点含めて、検討してくれています。

施設を建てるということを目標にしているのではなく、どんな重い障がいがあっても、医療的ケアがあっても、地域で暮らせる仕組みづくりをすることが、大事だと考えています。

賛同していただける方は、こちらから入力をお願いします。
また、Googleフォームの入力が難しい方には、紙面でのお申し込みも承っておりますので、お問い合わせください。

みなさんのお力を貸してください!!

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