いけプロ
北海道で暮らす医療的ケア児の未来を拓くプロジェクト
NPO法人ソルウェイズ共同代表理事の運上昌洋です。
ソルウェイズは、2017年より「どんな重い障がいがあっても地域で生きる」を法人理念に掲げて活動しています。
地域のニーズに応えながら、北海道札幌市とその隣の石狩市で、重症児デイサービス(5事業所)、生活介護、居宅介護、訪問看護の事業所を運営してきました。
事業を展開している中で必要性を強く感じ、かつ、当法人への要望として多く寄せられている「お泊まりできる場所」の開設に向けて、動き始めます。
重い障害があってもお泊まりできるインクルーシブな拠点を皮切りに、地域での生活を続けるための仕組みづくりをして北海道で広げていく、それが「北海道で暮らす医療的ケア児の未来を拓くプロジェクト」です。
この度、プロジェクトチームをつくり、賛同人や発起人を募ることとしました。
みなさんと一緒にプロジェクトを進めていきたいです。
よろしくお願いします。
【プロジェクトメンバー】
・NPO法人ソルウェイズ(代表:運上昌洋・運上佳江)
・NPO法人Uーmitte(代表:貴戸多香美)
・北海道医療的ケア児者家族の会 Team Dosanco(代表:小山内淳子)
1.何が問題か? ~解決したい課題~
重症児デイサービス、生活介護、居宅介護、訪問看護と、地域のニーズに合わせて事業展開を進めてきましたが、日中の限られた時間でしか対応できず、宿泊も含めて1日を通して子どもたちを預かることができないということが課題です。
当法人の理念「どんな重い障害があっても地域で生きていく」ためには、夜間も安心して気軽に預けられる場所が全国各地に広がっていくことが理想です。
しかし、要望が多いにもかかわらず、図の左側のような悪循環になってしまっているのが日本の現状です。
重い障がい、特に医療的ケアがあってもお泊まりできるインクルーシブな拠点をつくることで、好循環に転じるアクションを起こしていくことができると考えています。
2.誰と解決するか? ~いつでも気軽にお泊りできる施設がない~
重い障がいのある子どもや医療的ケアのある子どもとその家族は、様々な医療・福祉のサービスを利用しています。
地域のNPOや住民との交流や、家族会での情報交換や支え合いも、各地域で行われています。
しかし、短期入所することができる施設が少なく、特に、重い障がい、医療的ケアがある子どもが利用できる施設はその中でもごく一部です。
利用できるとしても、数ヶ月前から計画立てて予約するような状況なので、いつでも気軽に利用できて「お友達とお泊まり会」「おばあちゃんの家にお泊まりに行く」のようなワクワクして利用するものではありません。
さらに、地域の住民との交流や、医療的ケア児の旅行者も利用できるような短期入所施設もありません。
よって、どんな重い障がいがあっても暮らせる地域をつくっていくためには、当事者とその家族、地域の医療・福祉のサービス、行政、家族会、団体・法人や住民などと共に、重い障害があってもお泊まりできるインクルーシブな拠点づくりから始まる「北海道で暮らす医療的ケア児の未来を拓くプロジェクト」が必要だと私たちは考えています。
2022年7月1日、医療法人財団はるたか会が、千葉県松戸市に日本初の福祉型レスパイトハウス「やまぼうし」を開所しました。
医療的ケアのある子どもたちがお泊まりできる場所を、全国に展開するためのロールモデルとなる場所です。
私たちも「やまぼうし」と連携させていただきながら、北海道でもお泊まりのできる拠点を増やすモデルをつくっていきます。
3.どう解決するか? ~地域での生活を続けるための仕組みづくり~
2021年に医療的ケア児支援法が施行され、医療的ケア児及びそのご家族の生活を、社会全体で支援しなければならないとされました。
SDGsでも「誰一人取り残さない」と謳われていますが、重い障がいのある子どもたちが暮らしやすい地域は、誰もが暮らしやすい地域になると考えています。
「北海道で暮らす医療的ケア児の未来を拓くプロジェクト」では、まず2025年までに重い障がいがあってもお泊まりできる施設を1ヶ所つくり、他団体ともノウハウを共有しながら北海道各地に拠点を増やし、地域での生活を続けるための仕組みづくりを広げていきます。
地域で生活するということは、当事者・その家族と医療・福祉のサービスやその横のつながりばかりが強くなっても実現には至らず、行政、家族会、団体・法人や住民と情報交換や交流を行いながら、地域全体で医療的ケア児とその家族を支えていく仕組みをつくっていくことが必要です。
そして、その仕組みを北海道全体へと広げていくことを計画しています。