いけプロ / 活動報告
お泊まり会 in重症児デイサービスあいキッズ
NPO法人ソルウェイズのデイサービスの事業所では、ショートステイに向けたシミュレーションを実施しています。
重症児デイサービス あいキッズにて、2023年8月5日(土)〜6日(日)に開催した「お泊まり会」の活動報告です。
※このお泊り会は「三菱電機×中央共同募金会『三菱電機創立100周年記助成』」を受けて活動しています。
あいキッズおとまりかい
日時
2023年8月5日(土)16:00~8月6日(日)10:00
場所
重症児デイサービスあいキッズ
目的
- 通い慣れているあいキッズで、いつもと違う夜の時間過ごす時間を楽しみ、夏の思い出をつくる。
- 友人やスタッフとともに外出、レクレーション、保護者不在のなかでの宿泊を通し、利用児の新たな経験の機会とする。
- 自宅とは違う環境でケアを受け宿泊をする、今後のサービス利用のシミュレーションの機会とする。
- 夜間帯の預かりを通して利用児のケアの状況を把握し、今後ショートステイをつくるためどのような設備や工夫が必要か知る機会とする。
参加者
利用児3名
スタッフ10名
事前準備
一ヶ月半前から準備開始
- はじまりの会や製作、クッキングなどスタッフの担当とリーダーを決めグループLINEで共有して検討。
- 各担当のリーダーを中心に実施内容と予算出してもらい、それぞれがLINE内で報告。
- 昨年はイベントを詰めすぎてしまい、スケジュールがとても慌ただしく予定時間が後ろにずれてしまうこともあったため、今年は時間に余裕を持って計画を立てるようにした。
- 当日まで参加スタッフ全員でのミーティングは一度も実施出来なかったが、LINEを通してスケジュールや内容について共有を行った。
一ヶ月前
テーマ曲を決定(森七奈:スマイル)
- 当日はじまりの会で、スタッフ・参加児全員で演奏するため、楽器のできるスタッフはギター、ピアノ、リコーダー、その他のスタッフは歌とタンバリンで練習を行った。
掲示物や記念品の準備
- はじまりの会、おわりの会、スマイルの歌詞など、模造紙に記載し当日掲示した。
- 事前に保護者に参加する利用児さんへのメッセージを依頼した。保護者のメッセージカードは当日掲示して全員が見ることができるようにした。
- おわりの会で渡す表彰状、記念品の作成。記念品はあいキッズマークを名前を入れたロゼットを作成した。
夜間のケア
- ケア表の記入を保護者に依頼、聞き取りの実施。
- 寝かしつけ方法や、夜間帯のケア・サクションの状況などを確認した。就寝中のポジショニングに関しては自宅の様子の写真を撮影を依頼し、スタッフで共有した。いつも使用している枕を持参していただくように依頼した。
当日の流れ
15:30
スタッフ集合、全体打ち合わせ、受け入れ準備
16:15
送迎出発
17:00
利用児到着
17:30
始まりの会
18:00
お祭りにお出かけ
19:00
制作活動
クッキング
20:00
就寝準備、くらやみキラキラ
21:00
消灯
6:00
起床準備
7:00
ラジオ体操
8:30
終わりの会
9:00
送迎出発
参加者の声
利用児のご家族
不安や困ったこと
- 大好きなあいキッズでおとまり会だったので、不安はなく、とても楽しみに迎えることができた。ただショートステイ利用の経験がなくNICUを卒業して以来、親と離れて夜を過ごすことがなかったので、本当に大丈夫かという気持ちだった。普段の利用中からケアや体調面、家での過ごし方など相談できているので、信頼していて、今回お泊り会の誘いをもらい嬉しかった。薬の持たせ忘れがあったが、災害備蓄を預けていたので良かった。
参加してみてよかったこと
- 初めてお友達とのお泊りができたこと
- いつも関わってくれるスタッフなので安心して任せられたこと
- 普段自宅で一人で行っているケアを手伝ってもらい、休息できたこと
- 夜間帯の状況を知ってもらえたこと
- いつものあいキッズなのに興奮した様子であまり寝られなかった様子を見れたこと、でも状態は安定していて楽しんでいる様子も見れたこと
- 母子ともにかけがえのない思い出を作ることができた
- 子供たちが(兄弟で参加)楽しんでくれて、安心して夜も眠り、体調の変化もなく過ごせたことがとても嬉しい。リラックスして過ごせたことに成長を感じることが出来たし、あいキッズのスタッフさんの関わりのおかげだと思った。
- 長男はお泊り会に行く前、不安な表情や言動も垣間見ることがあったが、お泊り会から帰宅後はずっと笑顔で「また泊まりたい!」と泣くくらいうれしく思い出深いイベントとなったようです。次男は帰宅後しばらく怒っていて、「なんでママ来なかったの!」という態度をしていた。子供たちの違いや成長を見られてうれしかったです。
もっとこうだったらいいなと思うこと
- お泊り会で送迎してもらったので、実際ショートステイでも送迎があれば本当に助かるなと思った。いつも荷物が多く送り迎えがとても大変である。
- いま利用しているショートステイでは夜間の様子がわからないので、希望があれば簡単にその日の状態を知らせてもらえると安心する。
ソルウェイズでショートステイができたら、どのようなショートステイを望むか
- ショートステイでもリハビリがあったらいいな
- いつも接しているスタッフに、安心して任せられる、あたたかな場所であるといいなと思う
- 今回のように、添い寝して寝かしつけてくれたり、夜中に目覚めたときに手を握ってくれたり、とんとんしてくれたり、家族と変わらない関わりをしてもらえると安心
- 製作やクッキングなどデイサービスのように療育があり、思い出になるような企画を盛り込んでもらえるといいなと思う
スタッフ(10名中4名は夜間帯初参加)
- ご家族が行っている夜間のケアについて知ることができ、生活の流れを感じられたことが日中デイで関わる上でとても良い経験となった。
- 体調の良いときでも蛇管の水をはらう、体の位置を変える、おむつを確認するなど、夜間に数回は家族が起きてケアを行っているため、家族は満足の得られる休息は取れていないのではないかと感じた。今後開始される予定のショートステイを利用する際には、希望する家族に一緒に泊まってもらい、どのようなケアが提供されているのか知ってもらい安心してもらえる機会があったらいいと思った。
- 部屋が暗くなってからのケアは、照明の関係で準備や実施などに難しさを感じることもあった。参加利用児によって、必要な準備を予測を立てて行っていかなればならないと思った。
- 個別性の高い子ども達のケアは、慣れていないスタッフだと本当に判断が難しく、慣れたスタッフだからこそ安心して預けられると思う。家族が満足してもらえる環境や、安心してもらえる場所作りが、本当に大切だと思う。その上で家族の休息のためショートステイを、罪悪感なく気軽に利用しその時間を家族も楽しんでもらいたいと思った。
振り返り
昨年に引き続き二度目のお泊り会を実施することができました。
今回は昨年の反省も生かしスケジュールの組み方を考え、スタッフが余裕を持って活動やケアにあたることができたと思います。
お泊り会が町内会のお祭りの日程とちょうど重なり、お祭りに行くことができました。普段からお散歩に行く公園で行われたお祭りだったこともあったのか、そのときに「こんにちは!」「あいキッズ知ってる!」と声をかけてくれる地域の子どもたちがいました。利用児は盆踊りの人々や太鼓叩く様子をとても良い表情で見てお祭りを楽しんでいるようでした。
いつもの様子を知っている利用児であっても、夜間のお預かりとなると予測できないこともあり、やはり不安はありました。普段関わっている保護者なので、なにかあればすぐに相談できる関係性も、スタッフにとっては安心感につながりました。就寝時などは特に細かくLINEで写真を送り状況を報告するようにし、保護者が少しでも安心してもらえるように心がけました。夜間帯も一緒に過ごすことで、一日の利用児の生活を把握することができ、保護者の日々の頑張りや大変さを改めて感じることができました。夜間の把握はできると自宅での生活の予測がしやすく、日中の活動や休息に関しても考えやすくなると思います。
今回お泊りが初めての子供たちも、いつも通りいい表情で過ごし楽しんでくれて、母の聞き取りから成長を実感することができました。ショートステイを利用する目的やニーズは様々ですが、今後ショートステイが稼働していくときには、仕方なく預ける、ではなく子供たちの楽しみや成長を促せる関わりができたら良いと思います。それにはショートステイ単体として考えるのではなくデイサービスや居宅サービスなどを組み合わせながら、より多くのスタッフで子ども達や家族の思いを叶えられるよう連携をしていく必要があると感じました。
2度目のお泊り会ということで夜間のお預かりに関しては参加スタッフの半数以上が2度目の参加でした。子ども達にとっては初めてのあいキッズでのお泊りでいつもと違う慣れない状況であることを踏まえながらケアが必要となります。保護者が不在の夜間、自宅とは違う環境で、利用児にとってはストレスがあるなかで自宅と同じようにケアを受けながら安心して過ごせるショートステイが必要であると感じます。安心して楽しく過ごせるショートステイがソルウェイズを利用している利用児者にも提供できるよう今後も私たちに出来ることをしていきたいと思っています!